心とからだにいいことは、お肌や髪にもいいこと。各分野の専門家の方に聞いた、心とからだが心地よくなるお話。質の高い睡眠をとるために大切な、「美の睡眠メソッド」をご紹介します。
睡眠コンサルタント
友野なお さん
株式会社SEA Trinity代表取締役自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「昼間のパフォーマンスを最大にする正しい眠り方」(WAVE出版)、「疲れがとれて朝シャキーンと起きる方法」(セブン&アイ出版)、「大人女子のための睡眠パーフェクトブック」(大和書房)など。ウェブサイト:http://tomononao.com/
10年前に睡眠習慣を改善したことでパニック障害や15kgのダイエットに成功し、現在では睡眠の専門家として睡眠の研究やコンサルティング事業を行っている友野なおさん。子どものころから重度のアトピーで、使える化粧品も限られていたという友野さんですが、睡眠が心、カラダ、そしてお肌に大きな影響を与えることを身をもって体験された友野さんに「きれいになる睡眠」をとるポイントをお聞きしました。
7時間睡眠を心がけましょう
健康を維持するための理想的な睡眠時間は人によって違うということが大前提としてありますが、一般的には成人(26歳から74歳)に必要な理想的な睡眠時間は7時間から9時間とされています。これはアメリカ国立睡眠財団が推奨している世界的な基準で、例えば0時から7時、23時から6時というように7時間程度睡眠をとると健康、美容によいことがわかっています。
日中の体調の不調やパフォーマンスの低下を感じる場合は、睡眠日誌をつけてご自身にとっての最適な睡眠時間をみつけてみましょう。「△時から△時まで何時間寝ると調子が良い」「何時に眠ると調子が良い」というのがわかり、今の眠りの状態や問題点を客観視でき、睡眠改善の最初のステップとなります。
持田ヘルスケア
佐々木
シーズン8まで続く海外ドラマに睡眠時間を削られる日が続いていましたが、友野さんの美しい肌に感化され、睡眠日誌をつけてみることに。日誌をつけることで「睡眠時間が足りてない自分」を客観視できました。まだ1週間ですが、肌がぱっと明るくなったような気がします。このまま続けてみたいと思います!
美肌づくりには寝入りの3時間が大切
効果的な睡眠エステのポイントは、眠り初めの3時間を途切れずに眠ること。その理由は「成長ホルモン」にあります。成長ホルモンは肌の新陳代謝を促し、昼間の肌ダメージを修復します。この成長ホルモンが活発に分泌するのが寝入りの3時間。しかも、深い睡眠状態であることが重要です。ソファでうたた寝をして2時間後に起きてしまったら、成長ホルモンの分泌が妨げられ美肌づくりの効果が薄れてしまう可能性があります。
もう一つの大切なホルモンが、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれる「メラトニン」です。メラトニンは熟睡を促すだけでなく、抗酸化作用や老化防止作用があります。このメラトニンは暗くなってから分泌が始まり、3時から4時頃にピークに達します。
「寝入りの3時間だけぐっすり寝ればよい」と思うかもしれませんが、それは間違いです。睡眠エステは、まとまった睡眠でしか効果が期待できません。夜中にお手洗いに起きてすぐベッドに入る程度の時間は気にする必要はありませんが、睡眠のリズムが乱れたり、睡眠の質が低下しているような状態では美肌ホルモンは十分に分泌されず、肌トラブルを招く一因となってしまうのです。
睡眠エステができている人は「寝返り上手」
「寝返り」は無意識の運動ともいわれますが、皮膚の温度調節、血液や体液の循環の促進、筋肉疲労の改善、背骨のゆがみを矯正するなど、就寝中の体を健康に維持するための効果がギュッとつまっています。個人差はありますが一晩に20から30回くらい寝返りをうっているといわれており、寝入りばなに大きな寝返りをしないこと、寝ている間に適切な寝返りをうてていることが睡眠エステのポイントになります。
寝返り上手になるために重要なのは「パジャマ」を着ること。素材は吸水性、吸湿性の高いコットンがおすすめです。美肌を意識するなら圧倒的にシルク。ワンピースタイプやスウェット、フード付きのものは寝返りを妨げるので避けましょう。就寝中はコップ1杯程度の汗をかきますが、スウェットは吸放湿性が低いため、汗が肌にとどまり蒸れます。その蒸れが不快となり覚醒の刺激となってしまうことも。また、スウェットは生地が厚く、寝具との摩擦がおこって寝返りがうちにくくなるというデメリットもあります。
女性の場合、閉経による更年期障害の症状で寝ている間も大量の汗をかく方がいます。そのような症状がある場合は、寝冷えをしないよう枕元に着替え用のパシャマを用意して、夜中に目がさめたらすぐ着替えられるように準備をしておくとよいと思います。
寝返り上手になるには「枕」も大切です。首の隙間を埋めて、頭をサポートし、寝返りを妨げない枕を選びましょう。枕が合っていないと肩こりや頭痛、いびき、むくみ、首の横ジワの原因にもなります。枕とマットレスは同じメーカーのものをセットでそろえるのがおすすめです。
平均睡眠時間、世界ワースト1位は日本の40代、50代の女性!すぐ眠りに落ちる睡眠環境を整えましょう。
2018年の段階で、日本女性の平均睡眠時間は世界でワースト1位。世界レベルで、日本の女性の睡眠時間は少ないのです。有職者と専業主婦で平均睡眠時間に大きな差はなく、年代別では家事、育児、介護、仕事…などの負担が大きい40代、50代女性が最も寝ていません。24時間という限られた時間のなかで7時間の睡眠時間をつくることが難しい人にとっては、「ベッドに入ったらすぐ眠りに落ちる」のが理想でしょう。
すぐ眠りに落ちる近道は「スマホを手放すこと」です。
眠る前のSNSチェックが習慣になっていませんか? SNSの内容に一喜一憂し、心がザワつくとそれがストレスになり寝つきが悪くなります。「23時には夜モードにしてスマホの音がならないようにする」 お風呂は就寝の1時間前に入るのが理想的なので「お風呂から出たらスマホを見ないようにする」というように睡眠の質をあげるための睡眠ルールを作りましょう。また、スマホから放たれるブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制させ、深い眠りを妨げます。深い眠りに落ちないと成長ホルモンの分泌が少なくなり、睡眠エステになりません。「なかなか寝つけない」「寝たのに疲れがとれない」「肌が疲れてる」と感じている人は、就寝1時間前にはスマホを置いて寝る準備を始めませんか?
バナナの手もみジュースがおすすめ!朝食をしっかりとりましょう
睡眠エステには、朝食も重要です。朝食は起床1時間以内にとるとカラダが目覚め、活動モードに切り替わります。朝食におすすめの栄養素はタンパク質です。タンパク質に含まれるトリプトファンはセロトニンの原料であり、これは食べ物からしか摂れません。セロトニンは夜になると脳の中で睡眠ホルモンのメラトニンになります。トリプトファンを含むタンパク質が豊富な食材には、肉、魚、大豆、乳製品がありますが、朝からこれらすべてをしっかりとる時間のない方は、バナナを常備しておくとよいでしょう。
「手もみジュース」の作り方
忙しい朝でも簡単にできます。牛乳や豆乳、ヨーグルトにアボカド、キウイ、イチゴなどのお好みの食材とバナナを袋に入れて手でもみ、グラスにそそぐだけ。栄養バランス的にもおすすめです。
最後に「美の睡眠メソッド」をおさらいしましょう。
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スマホを寝る1時間前に手放し、7時間の睡眠をとる
寝入りの3時間の睡眠の質を上げ、美肌ホルモンを活発にする
寝返り上手になる睡眠環境をつくる
ぐっすり眠るために朝食をしっかりとる
今回、いくつかの方法をご紹介しましたが、すべてをやろうと無理するのは禁物です。まじめに取り組むことでストレスになっては逆効果です。「日々の生活に取り入れられること」「心とカラダが気持ちいいと思えること」からはじめてくださいね。
季節の変わり目になると感じるピリピリ感。年齢を重ねた肌は皮脂分泌量が減り、新陳代謝も低下。乾燥が進行して、さまざまなトラブルを引き起こし、季節の変わり目や紫外線ダメージなどで肌が敏感に傾きがちです。
乾燥によるかゆみやわずかな刺激で感じるピリピリ感が気になる肌に必要なのは保湿です。「コラージュゴールド化粧品」シリーズには肌表面の水分、角質層をうるおいバリアで包み、みずみずしい素肌に整える「トリメチルグリシン」というアミノ酸系保湿成分を配合。デリケートで乾燥しやすい年齢を重ねた敏感肌をやさしく守ります。
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