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ーー 腟や外陰部はデリケートな場所というイメージがあり、女性同士でもその悩みを語りにくい風潮があります。
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まずお伝えしたいのは、腟や外陰部はとても丈夫。決して、デリケートな場所ではありません。デリケートというと「見てはいけない」「触ってはいけない」というマインドになりますが、自分のからだの一部ですから、本来は触れるべき場所なんです。ですから、私はデリケートゾーンではなくフェム(female)ゾーンと言うようにしています。
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ーー フェムゾーンには触れたほうがいいんですね。
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例えば、クリトリスや小陰部を意識して洗っていない人は、そこに垢がたまっていて、それがにおいの原因になります。本来、腟や外陰部がうるおっている状態が正常ですが、女性ホルモンの低下によりおりものの量の減少や下着による刺激、おりものシートなどの不適切な使用で、外陰部が乾燥したりかぶれることがあります。乾燥やかぶれはかゆみの原因となりますので、顔やからだと同様にフェムゾーンの保湿ケアも必要です。
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閉経後、50%以上の女性が外陰部のかゆみや痛み、尿漏れ、頻尿、性交痛などの「GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)」を発症するといわれていますが、これらは「保湿ケア」や「腟マッサージ」・「骨盤底筋トレーニング」で予防・改善できます。
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ーー 若い世代の方が、フェムゾーンケアへの関心が高い気がします。
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世代というより知識格差の方が大きいと思います。70歳以上の女性は、教育や社会通念から「外陰部や腟に触れていいのは、夫と産婦人科医だけ」と無意識に感じている女性が多いですよね。東ヨーロッパなどでは母親がフェムゾーンケアについて、娘に教える習慣があるようですが、日本は「フェムゾーンには触らない」という文化が根付いていて、その大切さを母から娘に伝えている家庭は少ないと思います。
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からだのすみずみまで触れることで、からだに起こる変化を見逃さない。人生100年時代、後半生を女性らしく健康に過ごすためにも、フェムゾーンケアの啓蒙はとても大切だと思います。
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