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日本は卵アレルギーのこどもが多いのですが、卵の成分は微粒子の状態で空気中にたくさん飛んでいます。乾燥してバリア機能が低下している赤ちゃんの肌から、卵の微粒子が体内に入ると、からだがそれらを「異物」と認識して「抗体」をつくります。その結果、初めて卵を食べた時、異物からからだを守ろうとアレルギー反応を起こしてしまうのです。また、近年増加しているのは子供のナッツ類と大人のフルーツアレルギー。これは、なんと、花粉症に引き続いて起こることがわかって来ました。
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バリア機能が整っている肌からは食品や花粉の微粒子が入りにくくなります。肌あれだけがアレルギーの原因とは言えませんが、アレルギー予防のひとつとして赤ちゃんの時から保湿ケアをすることは近年の常識になりつつあります。
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ーー 食物アレルギー予防の考え方が変わってきているのですね。
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パラダイムシフトが起きるくらい、考え方が変わってきていますね。かつては、幼いうちはなるべくアレルギーのもととなる食品を食べさせないという考え方が主流で、その結果、爆発的に食物アレルギーのこどもが増えました。そして、アレルギーのもととなる食品を全く食べずに過ごしてきたこどもたちが、小学校の給食で初めてその食品を食べてショック症状を起こすという事例などがみられるようになったのです。
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皮膚や目・鼻から入るアレルゲン物質がアレルギーを作り出す一方で、腸管から吸収されたアレルゲン物質はだんだんに「慣れ」をつくっていきます。決して避けるばかりではなく、赤ちゃんのうちからいろいろな食品を食べて慣れさせていく方が、食物アレルギーにはなりにくいと言われています。
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残念ながら日本は住居面積が狭く、家の中に飛んでいる食物やアレルゲン物質が多い国です。小さい赤ちゃんのうちから保湿ケアを始め肌バリアをしっかりと作ってあげることと、離乳食をむやみに怖がって遅らせることはせず、色々な食品を与えて腸から慣れさせることが大切です。
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