BEAUTY SKIN CARE COLUMN 美容家のスキンケアコラム

美容ジャーナリスト 倉田真由美さん 編

Vol.1

洗いすぎを防ぐことこそ、
ポジティブな敏感肌ケアです

若いときの“過ち”が、今の仕事のきっかけに

雑誌や新聞に美容の記事を書くようになって、早いもので35年になります。
最初はあらゆるジャンルのライターをしていた私が、いつの間にか美容専門になったきっかけは、“自分自身の肌”でした。というのも、子供の頃から肌が弱く、乾燥するとすぐに赤みや痒みを生じ、カサカサするのにブツブツする、といった悩みを抱えていたものの「体質だから仕方ない」と、ずっと思っていたのです。ところが、仕事で知り合った皮膚科医や美容家の方々からアドバイスをいただき、まずは“洗うこと”を見直したら、肌がみるみる変わっていきました。つまり、それまでの私は、洗浄力が自分に合わない石けんなどにより、自ら肌に負担をかけ、乾燥させていたということ!きっと私と同じ間違いを犯している人が、たくさんいるはず。正しい情報を伝えなくては、と思ったのが、始まりでした。

落ちさえすればいい」なんて大間違い!

肌を清潔にすることは、美肌づくりの第一歩。決して欠かすことのできないステップです。けれどそれと同時に、肌にもっとも負担をかけてしまうステップであることを多くの方が自覚していません。その証拠に、化粧水や美容液には、それなりのこだわりを持っているのに、石けんや洗顔料については「落ちさえすればいい」「どれを使っても同じ」と思っている人が多いから。恥ずかしながら、私もかつてはそう思っていたのです。けれど、汚れや老廃物と一緒に、肌にとって必要なうるおいを奪ってしまうこともあり、それが肌のダメージの原因になっていることもあるのです。
とかく「キュッキュッと音が鳴るように洗い上げる」「すっきり、さっぱり洗うと気持ちがいい」と思いがちですが、乾燥しやすい敏感な肌の人にとっては、それこそご法度。繊細なガラス細工を扱うように、こすらず、やさしく、いたわるように洗うことを心がけましょう。

大人なら、ふわふわの泡で“ゆるく洗う”だけで十分!

仕事にプライベートに、何かと忙しい現代人。顔やカラダを洗うときも、あたかも肌の上で石けんを泡立てているような人が結構います。肌を洗うときの注意点は、「肌に指が直接触れないようにすること」だと思います。実は私、顔だけではなくカラダを洗うときも泡立てネットを使ってふわふわの泡をつくり、泡でやさしく肌を撫でるようにして洗っています。もはや泥まみれになって走り回ったり、大汗をかくことのない私たち大人は、それくらいの“ゆるい洗い方”で十分です。ただし、石けん成分の落とし残しは、肌トラブルのモトになることもあるので、シャワーでしっかり洗い流しましょう。最初から泡状ででてくるタイプのボディソープなら、この泡立て作業がなくていいので、忙しい人にもいいですね。そしてもちろん、水気をぬぐうタオルも柔らかくて清潔なものを用意し、こすらずに包み込み、ポンポンとする程度に。それだけで、きっと肌は変わってきます。

PROFILE

美容ジャーナリスト 倉田真由美さん

30年以上のキャリアを持つ美容ジャーナリストの草分け的存在。
女性誌の美容ページや新聞、PR誌などで執筆する他、
美容をテーマにしたトークショーを行うなど、幅広い分野で活躍中。