BEAUTY SKIN CARE COLUMN 美容家のスキンケアコラム

美容ジャーナリスト 宇野ナミコさん 編

Vol.4

毎日がんばる女性たちへ
肌と心に、たっぷり潤いを

日本女性を取り巻く環境は、乾燥の要因でいっぱい

これからのシーズンは、1年で最も乾燥する季節。外出すれば冷たい風が肌を刺し、室内に入ったら入ったで、空調が容赦なく肌の潤いを奪っていきます。

伝統的な日本の木造家屋は、適度な湿度を保つのに適していたそうですが、気密性が高く、空調が発達した現代建築は、湿度の低下に拍車をかけているそうです。

先日取材した皮膚科のドクターは「今の患者さんは、全身本当に乾いている人が多い。乾燥が原因の敏感肌悩みが増えている」と言っていました。特に、社会で活躍する30代~50代女性に、顕著な傾向といいます。日本の女性はきまじめ&努力家で、仕事や家事、育児など〝多くの役割〟をこなしているそう。そのぶん睡眠時間を削るなどして、疲労をため込みやすく、バリア機能の低下にも影響しているそうです。

風邪は万病のもと、乾燥は万肌トラブルのもと

風邪は万病のもとといいますが、肌トラブルの原因を探っていくと〝乾燥〟にたどりつくことが多くあります。顔において、最初に発生するのは、さざ波のようなちりめんジワ。そこから肌の弾力低下にともない、深いシワとして定着します。また乾燥してバリア機能が乱れると、外部刺激が肌に伝わりやすく、肌内部で微弱な炎症が繰り返し発生します。近年、この微弱炎症が、シミやたるみの原因であることも判明しています。

これは顔に限ったことではありません。全身を守る皮膚は、〝人体最大の免疫臓器〟。乾燥して全身のバリア機能が低下すると、過酷さを増す環境ダメージに対して、立ち向かう力も低下してしまいます。これからの季節は、顔も体もしっかり保湿してあげることが、本当に大切なんですね。

入浴の時間を上手に使い肌も心も、潤いで満たして

最も簡単な方法は、〝お風呂にゆっくりつかること〟です。全身の角層を潤し、温熱作用で血流が促されて、肌の生まれ変わりをサポートしてくれるはず。心地良い香りや保湿作用のある入浴剤を使うと、リラックス効果も高まります。

入浴後の肌は、保湿ケアで全身すみずみまで潤してあげましょう。特に皮脂腺が未発達なお子さんや、皮脂分泌量が低下する大人のボディには、顔と同じくらい保湿が必要です。

以下はとても個人的な感覚ですが、全身を潤いで包み込むと、ある種の安心感というか〝ホッとするような感覚〟を抱けるんですね。皮膚感覚は心理的にも影響を及ぼすといいますから、あながち〝気のせい〟だけではないかなと思います。時間がなく自分のことは後回しにしがちな女性ほど、ぜひ1日の終わりの時間を、少しだけ自分のために使って。入浴とボディケアで自身を慈しみ、肌も心も潤して頂けたらと思います。

PROFILE

美容ジャーナリスト 宇野ナミコさん

日本大学芸術学部卒。女性誌の美容班アシスタントを経て独立。
ライター歴23年。女性誌やWEB、広告媒体で美容記事を執筆中。
スキンケアを中心に、ヘアケア、メイクアップ、美容医療からオーガニックまで
幅広い分野を担当し、丁寧な取材を元にした分かりやすい文章に定評がある。