BEAUTY SKIN CARE COLUMN 美容家のスキンケアコラム

美容エディター 大塚真里さん 編

Vol.2

日焼け止めはただ塗るだけでなく
きちんと塗って、肌を守る

日焼け止めを塗っているのに、なぜ焼ける?

通勤やお買い物などで外に出るたびに、強い日差しを感じる季節。日差しに含まれる紫外線には、波長が短くエネルギーの強いUV-Bと、波長が長くエネルギーの弱いUV-Aの2種類があります。UV-Bは日焼けやシミの原因に、UV-Aは肌の奥まで届いて主にシワ・たるみの原因になるといわれています。どちらも4~5月ごろから量が増え、6~8月がピークになるので、この時期はUVケアをよりしっかりと意識することが大切になります。

「大丈夫、日焼け止めは毎年ちゃんと塗っています」という方も多いと思いますが、それでも夏が終わると日焼けしていたり、いつの間にかシミが増えていたり…ということ、ありませんか?雑誌の編集部に届く読者からの声にもそういう悩みが多く、皮膚科医や研究員に取材を重ねると、そこにはある原因があることがわかってきました。

薄く塗ったら効果も下がることをまず、心得て

日焼け止めを塗っている量が、皆さん少なすぎるようなのです。日焼け止めのSPF値は、SPF1=UV-Bを浴びて肌に赤みを引き起こすまでの時間が20分という意味です。SPF30なら10時間ということになります。ただしこの数値は、どの日焼け止めも「1cm2あたり2mg」を均一に塗った量で測定されています。これはかなりの量! 
白浮きやヨレを起こさないように、とごく薄くなじませると、防御力はどんどん下がってしまうのです。UV-Aから肌を守る指標のPA値も、同じこと。さらに、塗りムラがあればそこから紫外線が肌に侵入してしまいます。

許せる程度の厚塗りが将来の肌を守ってくれる

測定基準の量を塗るのは難しくても、薄く塗った後さらにもう1回重ねるなど、できるだけ厚く、かつムラなく塗るという心がけで、肌をしっかり守ることは可能です。そして、午後になったら一度ベースメイクを直しましょう。メイクをしていると日焼け止めの塗り直しは難しいものですが、パウダーファンデーションやお粉を重ねるだけで、パウダーの粒子が紫外線を散乱してくれるので、UVカット効果がいくぶん復活するのです。

薄着の季節は肌もナチュラルに仕上げたくなりますが、むしろ逆だと、私は思っています。肌を老化させないことをいちばんに考えるなら、夏は自分が許せる程度の“やや厚塗り”で、紫外線から守り抜きましょう。

PROFILE

美容エディター 大塚真里さん

ニューヨーク出身の東京育ち。青山学院文学部卒。出版社のオレンジページに編集者として勤務後、化粧品ブランドの広告制作を経てフリーエディターに。
女性誌の美容ページ他、書籍のディレクション、広告制作を手がける。
著書は『キッチンには3本のオイルがあればいい』(文藝春秋)