BEAUTY SKIN CARE COLUMN 美容家のスキンケアコラム

美容エディター 大塚真里さん 編

Vol.4

ゴワつき肌には、酵素洗顔が効く!

肌がゴワつく理由は夏にあった

あっという間に肌寒くなり、季節が移り変わるのは本当に早いものですね。しっかり保湿のお手入れをしているつもりでも、肌がカサカサしていたり、触れるとゴワつきを感じたりしませんか?

その原因は、季節が冬へと変化し、湿度が低下して肌のうるおいが奪われた…だけではありません。夏の間に肌が受け続けていたダメージの名残が、色濃く影響しています。初夏から秋口まで、肌には強い紫外線が何カ月も降り注いでいました。紫外線の中でも夏に増えるUV-Bは強いエネルギーをもつので、肌は自らを守るために、表面の角層を厚くしてバリアを強化しようとします。角層は役目を終えた最表面の細胞が自然に剥がれ落ちる仕組みになっていますが、剥がれ落ちるのを食い止めることで、守りを強化しようとするのです。

また、角層の細胞同士の間には、セラミドなどの「細胞間脂質」が存在し、隙間を埋めるようにして水分を蓄え、バリア機能を保っています。夏の間、ベタつくからさっぱり洗って保湿は化粧水だけ、といったお手入れをしていた場合、細胞間脂質が減ってしまうので、ますます肌は古い角層細胞をはがさないことでバリアを保とうとします。

肌は日々少しずつ生まれ変わっていくもので、季節が変わったからといっていきなり切り替わることはありません。湿度が高い夏の間は気づかなかったけれど、季節が変わり、急に湿度が低下して、角層の危機に気づき始めた…これが、ゴワつき肌の正体です。

マイルドに角質ケアができる、酵素洗顔料

「ゴワついた肌には角質ケアが有効」なんて話を聞いたことはありませんか。角質ケアにもさまざまなタイプがありますが、私が敏感肌の方におすすめしたいのは、酵素洗顔料。古い角質の結びつきを酵素がゆるめて、剥がれ落ちやすくしてくれます。洗顔料をすすいでしまえば肌に成分が残ることはないので、肌に浸透していく酸などを配合した角質ケアコスメよりも、効果がマイルド。洗い上がりはすべすべとなめらかで、肌を乾燥させることがありません。

不要なものが剥がれ落ちれば、新しい肌を作る力に弾みがつき、代謝が整って、肌は徐々にふっくら柔らかな状態に戻ります。

化粧品の力を知って楽しみながらお手入れを

肌にちょっとした不調を感じたときは、慌てず騒がず、必要なアイテムをいつものお手入れに1品プラス。それだけで、悩みがすっきり晴れることも多いのです。化粧品の力を知って、適切に使いこなせるようになると、ぐっと美肌に近づくことができます。新しいものも臆せず取り入れて、楽しみながらお手入れしてください。

PROFILE

美容エディター 大塚真里さん

ニューヨーク出身の東京育ち。青山学院文学部卒。出版社のオレンジページに編集者として勤務後、化粧品ブランドの広告制作を経てフリーエディターに。
女性誌の美容ページ他、書籍のディレクション、広告制作を手がける。
著書は『キッチンには3本のオイルがあればいい』(文藝春秋)