冬よりも夏の方が、肌にとっては過酷

みなさんは夏と冬、どちらが好きですか？
私は、寒くて体の芯まで冷え切ってしまう冬よりも、暑い夏の方が断然好きです。もともと代謝が悪くて汗をかきにくいこともあり、30℃を超えて汗がじわっとにじむ感じが心地いい。寒さが緩む3月ごろから、この季節を待ち焦がれている自分がいます。

それに、乾燥する冬よりも、夏の方が小ジワが目立たない気もして安心……。でも、そんな感覚とは裏腹に、実は冬より夏の方が、肌が老化する危険はいっぱいあるのです。

まずは紫外線。前回のコラムでも述べましたが、紫外線の量は4～5月ごろから増え、まさに今がピークです。「室内にいても電気をつけずに過ごせる明るさのときは、紫外線が入ってきているので日焼け止めを塗った方が良いでしょう」とは、先日取材した皮膚科医の言葉。とくに紫外線のうち波長の長いUV-Aは、その多くがガラスを通過して室内に侵入することがわかっています。UV-Aは肌の奥の真皮層に到達してコラーゲンやエラスチンなどの弾力線維にダメージを与えるので、室内で日焼け止めを塗らずに過ごしていると、すぐには気づかなくても将来的にシワやたるみが増えてしまいます。

皮脂を放っておくと老化の原因になる！

また、夏は気温が上がって皮脂分泌が盛んになります。皮脂がないよりある方がうるおって良い気がしますね。でも実はそうでもなく、皮脂は分泌されてしばらく経つと酸化して、肌に刺激を与える物質に変わるそうです。それによって肌に小さな炎症が起こり、炎症が続くと肌にダメージが蓄積して老化の原因になります。朝晩はしっかり洗って分泌した皮脂を落とし、日中皮脂が出たらこまめにティッシュペーパーなどで押さえるようにしましょう。

汗でベタつくからお手入れが億劫になるという点も、要注意です。化粧水をつけただけでしっとりするし、もういいや……という気持ちになるのは理解できるのですが、化粧水の主な目的は水分補給。水分はしばらくすると蒸発してしまうので、油分と美容成分がしっかり入った乳液やクリームを重ねて、うるおいをキープしましょう。

頑張ったお手入れは、自分の肌に返ってきます

夏の間、洗顔や保湿、UVケアを少し意識するだけで、秋の肌が大きく違ってきます。数か月後の肌を楽しみに、暑い中でもお手入れを頑張ってみませんか？